化学療法室

化学療法室

概要

ご挨拶

化学

昭和56年から日本人の死因の第一位はがんとなっています。今や年間に約60万人ががんにかかり、30万人が癌で亡くなっています。男性で2人に1人、女性では3人に1人が生涯になんらかのがんにかかるといわれています。

ひとごとでは済ませられなくなったがん診療についてこれまでも泉尾病院では積極的に取り組んできました。外科をメインとした手術療法はもとより手術が困難ながんに対しても各科で化学療法を行っています。分子標的薬剤と呼ばれる新しい薬が登場しました。正常な細胞にはあまり影響を与えず、がん細胞の増殖や腫瘍細胞に栄養を供給する血管新生を強く抑制するなどの作用を有する薬剤です。分子標的薬剤の登場で患者さんの生存期間が延びるとともに心身の負担も軽くなってきました。抗がん剤を服用するときのつらい吐き気に対してもよく効く制吐剤が開発されています。治療の場としてこれまでの入院主体から社会での生活を維持したまま外来でも通院で診療を続けることが可能となってきました。

とはいえ治療の過程でつらいときも出てきます。今までは救急患者さんなどで混み合う外来処置室で治療してきましたがより快適に治療を受けていただくために平成24年4月に化学療法室を開設しました。リクライニングチェア5台とベッド1台と規模は大きくありませんがテレビも常備され治療の間、できるだけ負担を軽減し少しでも快適にできるようにしています。また、薬剤も選択から発注、専任の薬剤師による清潔な調剤、点滴まで何重にもミスを防ぐシステムがとられ安全を期しています。

また化学療法室ではリウマチなどのつらい慢性疾患に帯する新しい生物学的製剤と呼ばれる最新の治療も行います。全身への負担は軽くなるとはいえこれまでになかった合併症も生じ得るためスタッフにも新しい知識の習得が必要となっています。

済生会泉尾病院では大正区、大阪市西部の中核施設として府のがん診療連携拠点病院として認定されました。地域での治療の質を向上すべくがん診療に携わる医師、看護師、薬剤師などのスタッフの研修にも力を入れています。がん治療認定医を育成するための認定研修施設にもなっています。また緩和ケアチームも加わって入院、外来での診療にあたっています。

化学療法室は4月1日から5床から6床に増床し本格的に稼働を行っており、患者さんの概数も平成28年度は738件と増えてきました。これから治療という方、大きな病院で治療を継続しているが通院が負担になってきた方。時には入院しての治療も必要になってきた方は是非、各科の外来や診療相談窓口で気軽に相談してください。

外来担当医表