概要
ご挨拶
済生会泉尾病院 耳鼻咽喉科のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
耳鼻咽喉科は日常生活を送る上で大切な五感(見る・聞く・匂う・味わう・触る)を多く担うため、病気が長引くことにより「生活の質」が下がってしまうケースが少なくありません。そこで当院では『救療済生』の済生会精神に基づき、患者さんに信頼される地域に根付いた質の高い医療の提供を心掛けています。
大学病院で専門的な経験を多く積んだ常勤医および非常勤医が診察することにより、幅広く耳鼻咽喉科領域全般において専門的な診療をおこなっています。
ただし、原則として受診していただく際には紹介状が必要となりますので、まずはかかりつけ医にご相談をお願いいたします。
皆様に受診して良かったと思っていただけるようスタッフ一同、精一杯努力して参ります。
診療内容
耳・鼻・のどに関する病気を診療しています。
具体的には、耳の痛みやかゆみ、きこえづらい、めまい、鼻づまり、鼻汁、のどの痛みや違和感、声がれなどの症状に対して、耳鼻咽喉科領域に特有な病気の診断と治療をしています。また、個人のクリニックでは検査や治療に限界があります。その場合は地域医療と連携しながら総合病院の特性を活かして積極的な内視鏡検査をおこない、耳・鼻・のどの奥に隠れた病気の早期発見に努めています。さらに、内視鏡では確認できない病変については、超音波検査、CTやMRIなどを受診当日に検査することで早期発見・早期治療も努めています。
例えば、クリニックではできない特殊な検査として難聴に対する語音聴力検査(言葉の聞き取りの検査)があります。これを通常の聴力検査と組み合わせておこなうことで聴覚障害の判定が可能です。また、耳鳴の性状を詳しく調べる検査することにより、患者さん個人個人に適した治療法(耳鳴順応療法(TRT)や補聴器を使用した音響療法など)をおこなっています。さらに頸部腫瘍に対して針穿刺吸引細胞診といった個人医院では難しいリスクの高い検査によって良性もしくは悪性の判定をすることも可能です。そして、誤嚥性肺炎を繰り返し入院治療している場合、言語聴覚士とともに内視鏡下嚥下機能検査を行ない、今後のリハビリテーションの方針なども相談しながら計画をたてます。
治療に関しては、扁桃炎や突発性難聴、めまいなどに対して、安静および点滴が必要な場合には入院治療もおこなっています。また、入院加療が難しい場合は土日祝を含めた通院での点滴治療もできますので、患者さんのニーズに合わせて相談させていただきます。さらに手術に関しても、鼓膜穿孔を閉鎖するための鼓膜形成術ならば1泊2日、副鼻腔炎や鼻茸(ポリープ)やアレルギー性鼻炎などの鼻科手術では3泊4日、習慣性扁桃炎や睡眠時無呼吸症に対する治療として扁桃摘出術を行なう場合は1週間程度の入院を目安におこなっており、こちらも患者さんの体調や要望次第では日帰り手術となる場合や入院期間の延長にも柔軟に対応させていただきます。
大正区は地域の特性上、高齢者の方が多く難聴で困っておられる患者さんも多いので、補聴器適合判定医と認定補聴器技能者の連携による補聴器外来(予約制)も設けており、補聴器適合検査により補聴器の実際の効果判定をしながら、個々人の聴力に合わせた補聴器の作製をおこなっています。また、1~2ヶ月間、補聴器の貸し出しをしており無料でお試しすることができます。
ただし、これらの検査や治療は、原則として予約制であり紹介状が必要となりますので、まずは、かかりつけ医にご相談の上、ご予約をお取りください。患者さんから直接初診の予約をいただいても、お取りすることが出来ません。あるいは、紹介状持参であれば、当日受診も可能ですが、待ち時間がかなり長くなったり、当日の診療が十分にできなくなかったりする場合がございますので、あらかじめご了承ください。
また、総合病院の利点を活かして検査や治療に関して耳鼻咽喉科だけでは対応困難な病気に対しても、内科、外科、小児科、眼科など、各診療科とも協力しながら患者さんにとって最も良い医療を提供します。
主な対象疾患
耳の病気
- 耳鳴
- 突発性難聴
- 加齢性難聴
- 遺伝性難聴
- 滲出性中耳炎
- 慢性中耳炎(鼓膜穿孔)
- 真珠腫性中耳炎
- 好酸球性中耳炎
- 外耳炎
- 外耳道真珠腫
- 良性発作性頭位めまい症
- メニエール病
- 前庭神経炎
- 顔面神経麻痺
- 聴神経腫瘍
- 耳管開放症
- 先天性耳瘻孔
鼻の病気
- アレルギー性鼻炎
- 花粉症
- 副鼻腔炎(蓄膿症)
- 好酸球性副鼻腔炎
- 鼻茸(鼻ポリープ)
- 鼻出血
- 嗅覚障害
- 鼻骨骨折
のどの病気
- 扁桃炎
- 咽喉頭炎
- 扁桃周囲膿瘍
- 声帯ポリープ
- 声帯結節
- 反回神経麻痺
- 嚥下障害
- 口内炎
- 舌炎
- 味覚障害
- 唾石症
- 甲状腺腫瘍
- 頸部リンパ節腫脹
- 耳下腺腫瘍
- 顎下腺腫瘍
- いびき
- 睡眠時無呼吸症
- 咽喉頭癌
- 舌癌
医療関係者の方へ
当院の耳鼻咽喉科領域でおこなっている検査および治療は以下となりますので、ご紹介いただく際の参考にしてください。
特殊検査
耳科領域
- 標準純音聴力検査
- ティンパノメトリ―
- 標準語音聴力検査
- 耳鳴検査
- 聴性脳幹反応検査(ABR)
- 赤外線フレンツェル眼振検査
- 補聴器適合検査
補聴器特性測定装置
音場での閾値検査・語音聴力検査
- 聴覚障害判定
鼻科領域
- 軟性・硬性内視鏡
- 静脈性嗅覚検査
- アレルギー性鼻炎関連検査
- 呼吸機能検査
頭頸部外科領域
- 耳鼻咽喉科専門医および臨床検査技師による超音波検査
- 耳鼻咽喉科専門医によるエコーガイド下の針穿刺吸引細胞診
- リンパ節生検
- 内視鏡下嚥下機能検査
治療
突発性難聴や顔面神経麻痺、咽喉頭炎、扁桃炎などに対する日祝を含めた通院点滴加療に対応しています。めまいや通院が困難な場合には入院加療も積極的に考慮させていただきます。
また、常勤医が在院時には時間外診療も対応しますので、ご連絡ください。
アレルギー性鼻炎に対して舌下免疫療法の導入を行なっています。安定期になり継続処方が必要となった場合、患者さんの希望に応じて逆紹介させていただきますので、引き続きの御加療をお願いできれば幸いです。
手術に関しては、定期的に月曜日の午後に枠を設けています。現在は常勤医が一人ですので、一人で2~3時間で出来る手術を行なっています。具体的には診療実績をご参照ください。その他、乳幼児を含めた鼓膜切開術や鼓膜チュービング留置術や、アレルギー性鼻炎や鼻中隔湾曲症に対する鼻科手術も施行可能です。さらに、難治性鼻出血や扁桃周囲膿瘍切開術、耳・鼻・咽喉頭異物摘出術(鉗子付きファイバー有り)などの緊急手術にも対応可能です。
患者さんにとって最も有意義な診療や治療、地域と連携した医療を目指していきたいと考えています。まずはお気軽にご相談ください。